【2024年7月】webで公開された読み切りマンガ5選

7月にwebで公開された読み切りマンガで面白かったものを5つ紹介する(過去の記事はこちらから→https://ryokageyama.com/blog/category/series/webcomics/)。webサイトでの公開時期が2024年7月になっているものが対象で、元々の発表媒体や時期は問わない。7月は早川書房の『ハヤコミ』が始まったのが印象的だった。始まったばかりでさすがに新作読み切りが載る感じではないが、匙田洋平『夜のロボット』が来たのは嬉しい(『電脳マヴォ』は良いサイトだがUI的に読みにくい……)。

横谷加奈子「富めるひと」(2024/7/11、コミックDAYS)

昨年も読み切り「遠い日の陽」で話題になっていた横谷加奈子の新作。前作同様、出会うはずの無い二つの何かが出会いさえすればマンガは成立してしまうということをあまりにも説得的に証明している。短編向きの作風に思えるが、連載するとしたらどういう作品になるのかはかなり気になる。

根塚山葵「占いババァの魔法の言葉」(2024/7/18、ジャンプ+)

全体としては子供向けの友情・教訓ものっぽく仕上がっているが、ところどころ妙なクセを隠しきれていないのが良い。「このままじゃ本当にかわいくなっちまう‼️」のところとか、日野くんがブチギレるところとか、尋常ではない。

あやき「かぞくになる」(2024/7/25、となりのヤングジャンプ)

落ち着いた良いマンガ。すべてのコマにさりげなく巧みな演出が仕込まれている感じがする。18pでこれだけ描けるというのもすごい。

江河川「反骨」(2024/7/25、コミックDAYS・第85回ちばてつや賞一般部門入選)

身の回りで話題になっていたが、実際破格の迫力があった。影の入れ方がずっとめちゃくちゃかっこいい。

鳥羽瀬七「こここことばは籠の中」(2024/7/25、コミックDAYS・第85回ちばてつや賞一般部門大賞)

こちらもちばてつや賞。シンプルな主題が衒わず確かな演出でまとまっており大賞感がある。この回のちば賞はどれもそれぞれの方向に良いものばかりだったので、全て読んでも損はないと思う。投稿者の層の厚みを感じる。