【2024年2月】webで公開された読み切りマンガ5選

先月にwebで公開された読み切りマンガで面白かったものを5つほど紹介する。webサイトでの公開時期が2024年2月となっているものが対象で、元々の発表媒体や時期は問わない。web読み切りといえばジャンプラの独壇場という雰囲気があるが、となりのヤングジャンプも最近頑張っていると思う。

山本駿平「まぼろしは光線のような」(2024/2/19、となりのヤングジャンプ・関西COMITIA69「4時間スピード漫画賞」準大賞)

となりのヤングジャンプが最近コミティアで開催している「スピード漫画賞」の関西COMITIA69(2024/1/21開催)での準大賞作。鉛筆書きのような独特のスタイルで、濃淡の表現が終始かっこいい。SF的なアイデアが光るストーリーも面白い。後半に入って描き文字がすごいことになるので、ぜひ読んでほしい。

ナカタ「私の命を狙っているのではあるまいか?」(2024/2/19、ジャンプ+・2023年12月期JUMP新世界漫画賞)

切り詰められたコマ運びとセリフ回しで、読ませる演出が見事。さらっと描いているようで達者だなという瞬間がたくさんある。どんでん返しではない小さな裏切りを積み重ねる語り口も、連載マンガっぽくて良い。

マコカワイ「ブーランジェリーくるくる」(2024/2/23、となりのヤングジャンプ)

良い絵に良い話の良いマンガ。人も物もデザインが魅力的。どのキャラクターも出てきた瞬間に雰囲気がつかめるし、モノクロでこんなに美味そうなパンにはなかなかお目にかかれない。

KATAO「ULALA DREAM!」(2024/2/9、コミックDAYS・第18回月マガコミック大賞デビュー!準入選)

とにかく線に勢いがある。すべての絵に動きがあって、見ているだけでも楽しい。物語としてはかなりストレートだが、絵柄にマッチしているのでスッと入ってくる。

原作:マシーナリーとも子/作画:もつ「ドラゴンの運転免許」(2024/2/2、ジャンプ+)

ドラゴンオタクの主人公が、ドラゴンと車が融合したカードラゴニュートと出会う話。ドラゴンと車の組み合わせには極めてインターネット的な文脈があるわけだが、詳しくないのでそれ自体は措く。ドラゴンの話から車の話になる流れなど妙に説得力があって面白い(いつまでもドラゴンオタクをやっていると、親から少しは現実を見て車の免許でも取れと言われるらしい)。