『東京時影 1964 /202X』という論集が出ます

主に大学院の博士課程で文化/芸術の歴史を研究している人たちが集まり、1960年代以降の「東京」をめぐるイメージの歴史について論じた本です。自分は「都市のレイヤーを描く:マンガの中の東京、その地下」というタイトルで、マンガ作品に登場する都市/東京の姿について書きました。

同人誌『一連』vol.4に寄稿しました

11月20日開催の文学フリマ東京35にて頒布された同人誌『一連』vol.4に寄稿しました。田河水泡「人造人間」という戦前のマンガについて書いたvol.1、施川ユウキ「バーナード嬢曰く。」論のvol.3に続いて、3度目になります。今回は2021年に単行本が出たタナカミホ「空飛ぶ馬」について論じました。

「セカイ系」のあとに:『ユリイカ』今井哲也特集号のこと

『ユリイカ』2022年11月号の今井哲也特集に寄稿しました。今井哲也氏はマンガ家で、近年ではアニメ化もされた「アリスと蔵六」という作品が有名です。今井作品の主題やスタイルについて詳しくは特集を読んでいただくとして、ここでは、なぜいま今井哲也なのかという点について、私なりの考えを書いておこうと思います。

「メディア芸術」のゆくえ:第25回文化庁メディア芸術祭受賞作品展

文化庁メディア芸術祭の受賞作品展に行ってきた。例年会期が短いために行きそびれ、マンガは展示より読んだ方がいいはずだなどと後付けで言い訳をするのが通例になっていたのだが、今回はエンターテインメント部門で大賞をとった『浦沢直樹の漫勉』関連のイベントが開催されるということで、きちんと予約を取って行くことに成功した。

「マンガ史の書かれ方×見つめ方――アイケ・エクスナ『コミックスと”物語マンガ”の起源』を巡って」を振り返る

だいぶ経ってしまったが、8月21日開催のオンラインシンポジウム「マンガ史の書かれ方×見つめ方」のことを振り返っておく。当日はzoom上で70人を超える参加があり、この手のイベントとして十分すぎる盛況ぶりだった。戦前のマンガ史というテーマに関心を持つ人がそれだけいたことには率直に驚いたし、ありがたい限りだ。

オンラインシンポジウム「マンガ史の書かれ方×見つめ方 アイケ・エクスナ『コミックスと”物語マンガ”の起源』を巡って」

2022年8月21日(日)AM10:00より、日本マンガ史研究に関するオンラインシンポジウムを開催します。2021年に英語圏で出版された研究書Comics and the Origins of Manga: A Revisionist Historyの著者であるEike Exner(アイケ・エクスナ)氏をお招きします。

カードゲーム以前の「遊☆戯☆王」のこと:高橋和希をめぐる記憶

高橋和希が亡くなったという。それほど熱心な読者ではなかったのだけれど、自分たちの世代のマンガ家だという感覚は確かにある。高橋がカードゲームの生みの親として紹介されることに違和感はないのだが、ただ個人的に思い出したのは、カードゲームが中心になる以前の、ごく初期の「遊☆戯☆王」のことだった。